研究課題/領域番号 |
10555261
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
化学工学一般
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
新井 邦夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10005457)
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研究分担者 |
金村 聖志 東京都立大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30169552)
伯田 幸也 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30250707)
阿尻 雅文 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60182995)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | リチウムイオン二次電池 / 正極材料 / LiCoO_2 / LiMn2O4 / 微結晶 / 水熱合成 / 超臨界条件 / 充放電サイクル特性 |
研究概要 |
本研究は、反応雰囲気を制御した超臨界水中での反応晶析法による新規な含リチウム金属酸化物微粒子の高速連続合成法の確立を目的とする。昨年までの研究でLiCoO2微粒子合成を行い、400℃、30MPa下で極めて結晶性の高いLiCoO2微結晶が合成でき、かつ、電気化学特性も優れていた。 今年度は、本手法を用いて、より需要が高まると期待されている次世代のリチウムイオン二次電池の電極材料であるLiMn2O4微結晶の合成をおこなった。LiCoO2の場合と比較して、Mn系は熱水領域での生成安定相が多く存在する。はじめに原料溶液の組成(Li/Mnモル比)、pHおよび反応温度をパラメータとして、単一相のLiMn2O4の合成条件の探索を行った。その結果、亜臨界条件(300℃,350℃)では、原料組成によらず生成物はMn単金属化合物であった。一方、臨界温度以上では、高pH条件かつ化学量論組成の原料から、XRD解析的にはほぼ単一相のLiMn2O4が合成できた。しかし、得られた微粒子の容量は最大で120mAh/gと理論容量の80%程度であった。このことは固体生成物が非結晶成分を含んでいるためであり、結晶化度のさらなる向上の必要性が示唆された。一方、充放電サイクル特性は極めて優れており,50回の充放電で容量減少が5%以下と極めて少なかった。これは、本手法で得られた微粒子が単結晶的な微結晶であるため、Liイオンの出入りにともない構造が変化しない安定な化合物であるためと考える。 本手法により優れた電気特性を有するLiイオン酸化物微粒子の高速連続合成が可能であり、プロセス化は極めて有望であることが確認できた。
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