本研究では実装化学工学の基盤を構築する。実装化学工学とは、半導体素子間の配線(配管)、パッケージング(装置仕様)を行い、個々の素子の性能を最終の電子機器に反映させることである。その中でも配管の役目をする高密度接続材料を電流密度分布の観点から検討した。また実装研究の普及を目的に化学工学会に実装プロセス部会を設立し、活動を開始した。研究実績を以下に示す。 1.高アスペクト比バンプ形状形成:CSPのビアポストに用いるバンプ形成において、隣接キャビティの密度差対流の影響を実験及び数値流体解析から明らかにした。あわせて、高さの均一性が得られるビアポスト径とビアポストピッチとの関係を明確にした。また、加熱により、密度差対流の増大を確認した。 ビルドアップ基板のビア穴埋において、分極曲線から穴埋機構を分類した。そして、Tafel領域、拡散律速領域の穴埋機構を明確にした。また、4種類の添加剤の有効性を確認した。 半導体のAlに替わる配線として注目されているCuダマシン法において、4種類の添加剤の機構を分極測定、結晶形態の観察より明らかにした。Clはマクロステップを形成する。PEGはマクロステップ端面に優先的に吸着しめっきの成長を抑制する。JGBはPEGの拡散律速性を増大させ、ビア穴内部に優先的に析出させる。SPSは結晶を微細化させ微細ビアに入りやすくする。 2.電流密度分布と添加剤:Niバンプ形成において、高密度接続材料に最適な中央に凸のバンプ形状形成を条件を見出した。レジスト側壁角度と添加剤のめっき成長抑制作用により、中央に凸の形状が出現する。 3.多数バンプが存在する時の形状制御:複数個のバンプ形成時、隣接キャビティの物質移動の相互作用について検討した。低Pe数では外部拡散が支配的である。隣接間隔が狭いと隣接部の電流密度が減少する。一方高Pe数では、貫通流が支配的となる。隣接間隔が狭いと、下流側キャピテイ高さが減少する。 4.その他:孔内の物質移動を促進するため、超振動撹拌を検討した。分極により超振動の効果を確認した。 金バンプの形状制御を検討した。添加剤、支持電解質で形状制御し、硬度測定、金属組織を明確にした。
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