本研究では実装化学工学の基盤を構築する。実装化学工学とは、半導体素子間の配管(配線)とフローチャート(接続)、装置仕様(パッケージング)を行い、個々の素子の性能を最終の電子機器に反映させることである。その中でも配管の役目をする高密度接続材料を電流密度分布の観点から検討した。また実装研究の普及を目的に化学工学会に実装プロセス工学部会を設立した。 1.高アスペクト比バンプ形成; 高アスペクト比ではキャビテイ外部の強制対流は内部を有効に攪拌しない。そのため、カソード近傍の溶液とバルク溶液との密度差を利用した自然対流が必要となる。そこで高アスペクト比バンプ形成と自然対流との関係を数値流体解析と実験とから検討した。カソード径が200μmでアスペクト比が1.0では、密度差対流が働き、キャビテイ内部を有効に攪拌する。カソード径が100μm以下になると、密度差対流が働かず、物質移動は拡散が支配する。 2.電流密度分布と添加剤; 分極測定から添加剤の働きを理解した。電流密度分布を数値解析と実験から検討した。COGでは、周辺の盛り上がったバンプ形状が異方性導電膜中の導電粒子をより多く捕獲し接続特性を向上させる。周辺の盛り上がったバンプ形状には、セレン酸の添加が効果がある。中央の盛り上がった形状についても検討した。またビルドアップ基板やダマシンめっきのビア穴埋に用いるCuめっきの4種類の添加剤のメカニズム詳細についても検討した。 3.バンプが存在する時の形状制御; 複数個のラインが隣接した場合の相互作用について隣接間隔とPe数との関係を検討した。 4.表面実装化学工学の構築; 化学工学会内に実装プロセス工学部会を設立した。会員は40社、10大学である。化学工学会の部会導入に合わせでエレクトロニクス部会へと発展する。
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