研究分担者 |
野田 英彦 八戸工業大学, 工学部, 教授 (00112409)
田川 公太朗 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (30315113)
深井 潤 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (20189905)
川口 一 荏原製作所, 研究員
黒川 恵児 西日本技術開発, 常務(研究員)
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研究概要 |
1.流動床式焼却炉において畜糞の燃焼実験を行い,排ガスの分析を行うとともに,発電システムに必要な補機類を検討した結果,以下の知見を得た.a)燃焼排ガス中の一酸化炭素濃度は十分低く,また,脱硫及び塩化水素除去のための対策設備は特に必要ない.b)バグフィルタによる集じん効率は99.8%以上であり,ばいじん濃度は大気汚染防止法規制値を大きく下回る.c)ばいじん除去としてはバグフィルタ設備が適用可能である.d)捕集した焼却灰は,肥料としての有効成分であるリン分,カリウム分の含有率が高く,肥料または土壌改良材として有効利用可能である.e)ダイオキシンについて,規制値に適応するためには触媒方式を採用する必要がある.f)燃料中の低融点物質のナトリウム,カリウムが流動媒体(砂)に与える影響について延べ時間140hの燃焼試験を実施・検討し,流動中のNa,K濃度は延べ時間60h程度までは運転時間に比例して増加傾向を示すが,延べ時間100〜140hでの増加率は減少し,飽和することより,流動媒体の流動化不良への影響はない. 2.流動床式焼却炉内における3次元燃焼場の数値解析から,以下の知見を得た.a)流動炉床上の流動と燃焼状況に大きく影響される炉下部の部分を除けば,各断面の平均温度は燃焼試験の測定温度と一致しており,本数解析は流動床式焼却炉内の流動状況,温度分布を性格に把握でき,より燃焼効率の高い炉の設計及び運転管理のための強力な予測方法として適用可能であることがわかった.b)ブロイラー糞と含水率の高い豚糞の混焼の場合においても,炉の出口温度を850℃以上に維持するとともに炉内で完全燃焼できることから,ダイオキシン問題に対しても十分対応可能であると予測される.
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