研究課題/領域番号 |
10555273
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三浦 孝一 京都大学, 工学研究科, 教授 (40111942)
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研究分担者 |
中川 浩行 京都大学, 工学研究科, 助手 (40263115)
前 一広 京都大学, 工学研究科, 助教授 (70192325)
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キーワード | 電気二重層キャパシタ / 高密度活性炭素繊維 / 熱間成型法 |
研究概要 |
近年、急速充放電が可能で容量の大きいコンデンサである電気二重層キャパシタが非常に注目されている。電気二重層キャパシタは、活性炭電極の表面に電解液のイオンを吸着させて電荷を蓄積するもので、比表面積の大きい活性炭素繊維(ACF)が電極として注目されている。しかしながら、ACFは充填密度が小さいのが欠点で、バインダーなどで細孔を閉塞させることなく充填密度上げる工夫が必要である。そこで、本研究では、熱間成を用いてバインダーを全く使用せずに、高密度なACFをピッチ繊維に不融化処理を施した不融化繊維を熱間成型することによって、高密度に充填された繊維を製造することができた。この様にして得られた高密度繊維に炭化・賦活処理を施すことにより、充填密度が0.86g/ccという高密度な活性炭素繊維(HD・ACF)を製造することに成功した。このHD・ACFは、高密度化されていないACFとほぼ同じ細孔構造を持っており、熱間成型条件を変えることにより、容易にその充填密度を変えることができた。このようにして製造したHD・ACFを電気二重層キャパシタの電極に使用したところ、放電容量は電極の充填密度に比例して大きくなり、充填密度を高くしても繊維質量あたりの性能が低下することはなかった。また、電極を厚くしても電極容積あたりの放電容量は低下せず、電極の大型化にも対応できると考えられた。これは、HD・ACFが繊維状で高密度に充填されていることによって電気伝導度が非常に高いためと考えられた。このように、熱間成型法を用いて製造したHD・ACFは高容量電気二重層キャパシタの電極として非常に適していることがわかった。
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