研究課題/領域番号 |
10555274
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
諸岡 成治 九州大学, 工学研究科, 教授 (60011079)
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研究分担者 |
坪田 敏樹 九州大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10304750)
礒田 隆聡 九州大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70284544)
草壁 克己 九州大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30153274)
積 洋二 京セラ株式会社総合研究所, 研究員
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キーワード | 無機膜 / 気体分離 / モジュール / ゼオライト / シリカ / 炭素 |
研究概要 |
次世代無機分離プロセスを実現させるためには、無機分離膜の透過性能を向上させることが重要である。本研究では、有機官能基を持つシランのアルコキシドを細孔形成剤として用いる新しいゾルゲル法により、シリカ膜を作製した。有機官能基の種類を変えることで気体の透過特性が制御できた。また、この膜は水素透過速度が非常に大きく、実プロセスへの適用することが可能なレベルに達した。次に、二酸化炭素分離性や空気分離性に優れたフォージャサイト型ゼオライト膜に着目し、特にNaY型ゼオライト膜をリチウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムでイオン交換した膜について、二酸化炭素と窒素の混合気体の分離性について検討した。その結果、カリウム、ルビジウムおよびセシウムでイオン交換することで、ゼオライトへの二酸化炭素の吸着特性が増大するために、二酸化炭素の分離係数が向上することが明らかになった。また、二酸化炭素分離特性に及ぼすイオン交換率の影響について検討した結果、これらのイオンではイオン交換率が増大するほど分離係数が増大するが、イオン半径の大きいカチオンとの交換であるために、ミクロ孔径が減少するので透過速度は少し減少した。また、これらの関係を吸着-拡散モデルを用いて解析し、膜内での拡散係数を導出した。この膜は多孔質アルミナ支持管の内側に製膜することに成功した。このことはモジュール化によるケーシングとの接合や膜自体の取り扱いが容易になるために実用化への貢献が大である。
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