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1998 年度 実績報告書

超効率的ポルフィリン合成用ナノメディアの開発

研究課題

研究課題/領域番号 10555277
研究機関東京大学

研究代表者

尾中 篤  東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (10144122)

キーワードメソポーラスアルミノシリケート / ポリフィリン / ゾル-ゲル法 / 固体酸 / 細孔径
研究概要

メソポーラスアルミノシリケートは,ポルフィリンの分子径に相当する均一な細孔を有すること,強い酸性を示すことから,アルデヒドとピロールの重縮合・環化によってポルフィリンを生成する反応の良い触媒となることを,筆者らは既に見出している.しかし,この方法でポルフィリンを好収率で得るためには,アルデヒドやピロールの希薄溶液(0.01モル濃度)を用いなければならず,ポルフィリンを大量に合成するためには,より高濃度条件下(0.1モル濃度以上)で,効率的に反応を促進する触媒の登場が強く望まれていた.そこで,本研究ではテトラエトキシシランとトリイソプロポキシアルミニウムの混合物を出発物質,ヘキサデシルアミンを鋳型剤とするゾル-ゲル法により,種々のSi/Al比を有するメソポーラスアルミノシリケート(Al-HMS)を調製し,テトラフェニルポルフィリン(TPP)合成に適用した.その結果,Si/Al=50程度のアルミニウムを含むAl-HMSが,0.1モル濃度という高濃度条件ながら,43%の最高収率を与えた.同一条件で均一系ルイス酸触媒のBF_3・OEt_2を用いると,合成収率は30%であり,酸としての取り扱い易さからも,固体酸のAl-HMSの有用性が明らかとなった.Al-HMSがポルフィリンの合成反応用触媒として優れている理由は,細孔径が28オングストロームと大きく,反応基質が細孔内を自由に拡散できること,固体酸性発現の要因となるアルミニウムが細孔表面上に均一に分散されていること,および細孔空間が生み出す極性環境により,分子内環化反応の遷移状態が安定化されること,などの相乗効果であると考えられる.

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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