研究課題/領域番号 |
10555278
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
丹羽 幹 鳥取大学, 工学部, 教授 (10023334)
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研究分担者 |
奥村 和 鳥取大学, 工学部, 助手 (30294341)
片田 直伸 鳥取大学, 工学部, 助教授 (00243379)
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キーワード | 環境触媒 / 耐熱疎水性 / シリカCVD / パラジウム / ゼオライト / アルミナ / NO除去 / 触媒燃焼 |
研究概要 |
メタンによる窒素酸化物の還元に高活性を有するパラジウム担持ZSM-5触媒にシリカの化学蒸着を行なった。未修飾の触媒が10mol%の水蒸気によって1/3〜1/4程度にまで活性低下を示す条件において、シリカ蒸着触媒では活性の低下が3/4程度に抑えられた。パラジウム担持モルデナイトでも同じような結果が得られた。未修飾の触媒における活性低下の機構を検討するため、さまざまな処理による活性の経時変化を測定したところ、水蒸気・酸素共存下でパラジウムのシンタリングにより活性が低下していることがわかった。蒸着シリカは外表面におけるパラジウムの拡散を抑制し、活性低下を妨げているようであった。 一方、メタンの燃焼反応に対して高活性を有するパラジウム担持アルミナ触媒にシリカの化学蒸着を行なったところ、およそ1000℃で焼成後も比較的高い活性が保たれた。これはシリカモノレイヤー(単層)が担体のシンタリングを抑制したためであった。モノレイヤーの微細構造をSiNMRで観察したところ、シロキサン結合の2次元ネットワークが高度に発達し、OH基が極めて少ないために水蒸気との反応を通じたシンタリングが妨げられると考えられる。 以上のように、シリカの化学蒸着による耐熱疎水性の向上が見られ、またその機構が明らかとなった。今後は、パラジウム担持ゼオライト触媒におけるパラジウムの微細構造とシリカによるその変化、他の金属を添加した系へのシリカ蒸着の適用、パラジウム担持アルミナ触媒における水酸基の量的・質的な特性のシリカ蒸着による変化、連続式流通法による工業化、などに関する研究を続ける。
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