研究課題/領域番号 |
10555284
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
古崎 新太郎 九州大学, 工学部, 教授 (40011209)
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研究分担者 |
坪井 彦忠 三井サイテック, 技術開発本部, 部長(研究職)
関 実 東京大学, 大学院工学研究科, 助教授 (80206622)
石川 治男 大阪府立大学, 工学部, 教授 (00081349)
後藤 雅宏 九州大学, 工学部, 助教授 (10211921)
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キーワード | 生体触媒 / 酵素 / 有機溶媒 / 不斉合成 / 固定化酵素 / バイオリアクター / 界面活性剤 / 計算化学 |
研究概要 |
本研究の目的は、非水媒体中で高活性を発現するような次世代型の酵素複合材料を開発することにある.生体触媒は、極めて反応特異性が高いことから、高選択的な合成反応を可能にする.しかしながら、生体触媒を有機媒体中でそのまま使用すると、大変弱いため、その機能を十分引き出すことは通常困難である。そこで、本研究では、酵素の表面を分子設計された界面活性剤分子で被覆するという新たな手法によって、酵素を有機媒体から保護し、非水媒体中でも十分機能するような次世代型の生体触媒を創製した 具体的には、これまでの合成技術を生かして、酵素の新機能発現に最適な活性剤分子を合成した。分子設計においては、分子軌道法に基づいた計算化学の手法を導入した.合成した界面活性剤を用いて、各種の耐有機溶媒性酵素を調製した.特に、全く水分子が存在しない特殊環境下における機能発現を検討し、ハイブリッド化を行う界面活性剤の分子構造と活性発現の機構を明らかにした.さらにモデル反応として、いくつかの不斉合成反応を例に取り、酵素活性と選択性について評価を行った.界面活性剤で被覆することによって、耐熱性が向上し、10倍以上の活性が得られた。また、実用化の観点からは、生体触媒の繰り返し使用が重要となる.そこで、今後は繰り返しが可能となるような担体への固定化法を検討する.
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