研究課題/領域番号 |
10555290
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大森 斉 岡山大学, 工学部, 教授 (70116440)
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研究分担者 |
小森谷 恵司 帝人株式会社, 医薬開発研究所, 部長
疋田 正喜 岡山大学, 工学部, 講師 (60228715)
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キーワード | アレルギー / IgE抗体 / RAG遺伝子 / 遺伝子組み換え / V(D)J再構成 / モノクローナル抗体 |
研究概要 |
寄生虫感染やマウスB細胞を細菌のリポ多糖(LPS)とインターロイキン4(IL-4)で刺激することにより誘導される非特異的IgEは、全てのB細胞が一斉に無差別に活性化された結果産生される多種類の抗体の混合物と思われてきた。しかし我々は、従来成熟B細胞では起こらないとされていた抗体遺伝子の組み換えがLPS/IL-4刺激により誘導されることを発見した(Science274,2092(1996))。LPS/IL-4によりRAG遺伝子が誘導される条件はIgEへのクラススイッチの起こる条件と多くの点で一致しているため、この組み換えの結果作られる非特異的IgEは限られた種類の特殊なIgE抗体ではないかと推定した。これを実証するために、本研究では、(1)LPS+IL-4で刺激したマウスB細胞、(2)寄生虫であるNippostrongylusbrasilienesisを感染させたマウスの脾臓細胞からNSO-bcl2細胞との細胞融合によりIgE産生ハイブリドーマを樹立することを試みた。現在、10数クローンを得ている。それらの産生するIgE抗体のH鎖、L鎖遺伝子の可変領域を解析し分類しつつあるところである。さらに、抗NP抗体のH鎖VDJカセットを組み込んだトランスジェニックマウスにN.brasiliensisを感染させると、トランスジーンがIgE抗体においてとくに高頻度で他のものに置換されていることも観察したので我々の仮説が間違っていないとの確信を得つつある。
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