研究課題/領域番号 |
10555292
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研究機関 | 川崎医療短期大学 |
研究代表者 |
望月 精一 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (60259596)
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研究分担者 |
後藤 真己 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 教授 (50148699)
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
梶谷 文彦 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70029114)
平松 修 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 講師 (50208849)
松本 健志 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (30249560)
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キーワード | 一酸化窒素(NO) / イヌ大腿動脈 / ラット摘出心 / 潅流量 / 蛍光計測 / NADH / NOセンサー |
研究概要 |
本年度は、昨年から継続して摘出心臓と摘出血管の2種類の実験モデルを用いて、血管内皮由来の一酸化窒素(NO)ラジカル計測を行い解析を行った。 (1)摘出灌流心の灌流圧変化の影響 灌流圧を100cmH_2Oから50cmH_2Oに低下すると冠灌流量(肺動脈から駆出される冠灌流液流量)はほぼ半減したが、灌流液中NO濃度は流量との補正値として約2倍となり、灌流圧低下による冠灌流量低下にも関わらずNO産生量が増加しておりNO増加による酸素供給の維持メカニズムによるものと推測された。しかし、このNO産生増加は9週齢ラットにのみ認められ、16週齢ラットではNO産生量はほとんど変化しなかった。さらに心筋代謝機能の指標の一つとしてミトコンドリア内に存在するNADH(虚血レベルの指標)を蛍光CCDシステムで経時的に計測したところ、9週齢心では低圧灌流時に一旦増加傾向にあった蛍光強度がNO産生に少し時間遅れで減少(酸素供給の改善)が観察され、冠灌流維持(心筋内血流分布変化による酸素供給の最適化)にNOの貢献が大きいことが推測された。しかし、16週齢心ではNADH蛍光増加が見られるのみであった。 (2)摘出灌流血管における外因性NOの影響 昨年度、摘出イヌ大腿動脈を対象として流れ依存性の内因性NO産生を評価したが、本年度は流れ依存性の内因性NO産生に外因性NOの与える影響を評価した。外因性NO投与により約40%の内因性NO産生量の減少を示した。しかし、NO合成酵素のcofactorの一つであるBH_4の投与によりほぼコントロールレベルまで回復した。 (3)新型微小NOセンサーの基礎検討 従来のNOセンサーに対して感度向上・ノイズ対策の施されたNOセンサーが開発され、試験的性能評価を開始した。現在、in vitroおよびin vivo計測用に改良を進めている。
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