研究課題/領域番号 |
10555295
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
楠 文代 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (70057371)
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研究分担者 |
西田 毅 九州松下電器株式会社, 開発研究所, 技師
荒井 健介 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (10266885)
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キーワード | 酸 / 酸度 / 計測装置 / 電気分析 / ボルタンメトリー / キノン |
研究概要 |
本研究は、キノンの電解還元反応を利用してボルタンメトリーにより酸が定量できる基本にもとづき微量の酸を測定するため、信頼性、実用性、汎用性に優れた微量酸の計測装置を開発している。本年度の主な研究実績は次のとおりである。 1. 酸の測定ための電解条件の設定 ボルタンメトリーおよび電気化学検出フローインジェクション分析(FIA)を行って、装置化に最適な条件を選定した。そのためにグラッシーカーボンやプラスチック フォームド カーボン(PFC)などの電極材料、キノンの種類、支持電解質の組成、溶媒の種類などを検討した。 2. 酸計測装置の設計と作製 FIAおよびHPLCタイプの実験施設向きの計測装置、および電池で駆動できる小型汎用型の計測装置を設計・作製して、それらの試用試験を行った。 3. 装置の性能評価 2で作製した装置を用いて性能評価を行った。 1) FIAおよびHPLCタイプの計測装置:種々の酸を含む水溶液、ぶどう酒などの飲料中の微量酸、油脂中の微量遊離脂肪酸などを試料として、総酸量の測定や酸の成分の分離定量を行った。測定データを従来法の滴定装置で得たデータと対比し、本計測装置を用いた場合、高感度で簡易迅速な測定が可能であった。 2) 小型ボルタンメトリータイプの計測装置:ジュースの酸度測定を試みた。 電池駆動型の装置では、電極の形状およびセルとデータ表示部分の改良が必要であることが明かとなり、この点の検討を重ねている。
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