研究課題/領域番号 |
10555295
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
工業分析化学
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
楠 文代 東京薬科大学, 薬学部, 教授 (70057371)
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研究分担者 |
西田 毅 九州松下電器株式会社, 開発研究所, 技師
荒井 健介 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (10266885)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 酸 / 酸度 / 計測装置 / 電気分析 / ボルタンメヒリー / キノン / Juice / Wine |
研究概要 |
本研究は、キノンの電解還元反応を利用したボルタンメトリーにより酸が定量できることに基づいて、微量の酸を測定するため、信頼性、実用性、汎用性に優れた微量酸の計測装置を開発してきた。本年度は微量酸計測システムやセンサーを作製し実用分析に応用した。主な研究実績は次の通りである。 1.高感度な遊離脂肪酸検出システム キノン試薬を用いた遊離脂肪酸の高感度検出システムを構築した。高速液体クロマトグラフィーのODSカラムによる分離と組み合せて、ヒト表皮脂質中の遊離脂肪酸の分離定量、分布解析などを行った。高感度な分析法であり、ヒト表皮脂質試料の採取は5mm×5mmの油取り紙を1分間当てるだけという簡易な方法であるため、今後皮膚疾患患者の遊離脂肪酸分布や動態観測にも利用できると考えられる。 2.果汁用ならびにワイン用の酸度センサー 果物などの農産物やその醸造産物の品質管理を目的とした酸測定センサーを作製した。本研究ではみかん果汁用センサーとワイン用センサーとして、小型で電池駆動型の酸度センサーを開発した。試料量数百μl、測定時間約60秒、測定酸度の範囲0.1〜3%の特性を有した。約20種類のワインについて、本センサーによる測定データと従来法によるデータを比較したところ良い相関を示し、酸度測定にセンサーが有用であることが分かった。みかん果汁用センサーは栽培現場の畑で測定できる特性をもつので、栽培調節の指標を得るのに利用でき、またワイン用センサーはワイナリーなどの醸造工程の管理に役立つものである。
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