研究概要 |
様々な固体電解質を900℃程度まで加熱し,正,負イオンの熱放出を調べたところ,以下の事実が判明した。 1)固体内イオン伝導率の増加に伴い,熱イオン放出が容易となる。 2)熱イオンの放出は,固体内イオン伝導率が十分高ければ,イオン半径の大きいイオンほど,また電荷の低いイオン程容易となる。 3)固体内伝導イオン以外のイオンも熱放出される。 以上の事実より,固体電解質表面からイオンが放出され易いのは,イオン放出に伴って固体表面に生じる逆電荷と放出イオンとの間に働くクーロン引力が,伝導イオンの再配向によって弱められるためであることが明らかとなった。
|