| 研究課題/領域番号 |
10555298
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| 研究種目 |
基盤研究(B)
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| 研究機関 | 東京大学 |
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研究代表者 |
平尾 公彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70093169)
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| 研究分担者 |
武次 徹也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (90280932)
中野 晴之 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (90251363)
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| キーワード | 大規模系 / 分子軌道法 / 密度汎関数法 / 相対論的分子軌道法 / 多配置摂動論 / 相関汎関数 / 相対論効果 / エネルギー微分法 |
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| 研究概要 |
本研究では大規模分子系の電子状態、分子構造などを十分な精度を持って、しかも、高速に決定することのできるようなab initio分子軌道法の理論開発、及び、アルゴリズム・プログラムの開発を目的としている。本年度は、大規模系の電子状態を求める手法として、(1)密度汎関数理論における新しい方法の開発、(2)新しい相対論的分子軌道理論の開発、また、分子構造を求める手法として、(3)多配置摂動論のエネルギー微分法の開発、などを主に行った。密度汎関数理論では、本年度は、基礎となる汎関数の開発に取り組み、単純かつ物理的に正当な相関汎関数であるOne-parameter Progressive(OP)相関汎関数を見出した。この汎関数は、半経験的パラメータを1つしか含まず単純な形をしているにもかかわらず、相関汎関数が満たすべき全ての物理的境界条件を満足する。数値的検証のために、比較的小さい数十種類の分子系に適用した結果、従来、大規模系に適用されることの多かった2次摂動法と比較して、数倍の精度で分子構造や分子物性を算出すること示した。相対論的分子軌道法については、4成分のDirac方程式を明白に解くことなく電子状態を求めることができる相対論的近似法であるRelativisiticScheme by Eliminating Small Components(RESC)法と呼ぶ新しい方法を開発した。金原子、銀原子など重原子を含む分子系に適用し、基底状態に限らず励起状態の計算に対しても、効率的で高精度の理論であることを示した。さらに、これらOP相関汎関数とRESC法を結合することにより、重原子を含む大規模系に適用し得る密度汎関数理論とプログラムを開発することに成功した。また、多配置摂動論のエネルギー微分法については、本年度は、アルゴリズム・プログラム開発に重点を置き、予備的計算までを行った。これは、多配置型の摂動論においては最初の例である。
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