研究課題/領域番号 |
10555300
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
上野 昭彦 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (50091658)
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研究分担者 |
高野 純 島津製作所, 新事業推進部, 専門課長
藤田 登美雄 島津製作所, 分析機器事業部, 主任技師
池田 博 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (70201910)
三原 久和 東京工業大学, 生命理工学部, 助教授 (30183966)
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キーワード | 分子認識 / センサー / ホスト・ゲスト / シクロデキストリン / シクロファン / 蛍光 |
研究概要 |
新型分子認識センサーとして新たに蛍光消光型分子認識センサー(1)を合成した。 その合成は、P-CDの一級水酸基をジアミノブタンで置換した化合物を合成し、このジアミノブタン鎖の末端にピレン酢酸、CDに近接している二級アミノ基にp-ニトロベンジル酪酸を縮合して結合させた。1は398nmにピレンの蛍光を示すが、ゲスト分子である1-アダマンタノールを添加したところ、その蛍光強度は減少した。他のさまざまなゲスト化合物を用いても同様の挙動を示した。蛍光強度とゲスト濃度の関係から、1:1の包接錯体が形成していることが明らかとなった。また、従来のCD誘導体とまったく異なる分子構造を有する分子認識センサーとしてシクロラアン型分子認識センサー (2)を合成した。2は2個のp,p′-ジアミノジフェニルメタンと2個の1,4-ブロモブタンの反応物を基本骨格と有している。そして、4個ある二級アミノ基をN-Boc-β-アラニンと反応させた後、アミノ基の保護基であるBocを除去した。一級アミノ基を4個有するこのシクロファンとダンシルグリシンをクロロホルム中1:1の化学量論比でDCCにより縮合させた。そして、高速液体クロマトグラムにて1個のダンシル単位を有するホスト化合物(2)を得た。1はNMRおよびマススペクトルによって同定された。1のリン酸緩衝溶液(pH7;1、10mM)は540nmにダンシルの蛍光ピークを示した。ゲストとしてさまざまなナフタレン誘導体を添加すると、この蛍光の強度は減少し、ゲスト包接によってダンシル単位が1の空孔内から外の水環境に追い出されることが明らかとなった。今後、これらホストをガラス表面に固定しセンサーを構築したい。
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