1.コレステロールオキシダーゼおよびコレストロールエステラーゼを固定した電極による全コレストロール量測定センサーの構築 アミノエタンチオールの自己集合単分子膜で被覆した金電極に、グルタルアルデヒドを架橋剤に用いてコレストロールオキシダーゼおよびコレステロールエステラーゼのに種類の酵素を固定した電極を調製した。電子メディエーターにチオニンを用い、電極に電位を印加しながらコレストロールおよびコレステロールエステルを検査溶液に入れると、両者に対して酸化電流が検知されることを見出した。そして、その酸化電流の大きさと基質の濃度との関係を明らかにすることにより、コレストロールおよびコレストロールエステルの個々の濃度と総濃度とを容易に調べる方法を確立した。 2.ウリカーゼ複合酵素を固定した電極の作製と尿酸センサーへの応用 蒸気の同様の方法、ならびに電極表面にに人工二分子膜を形成させ、それへ固定する方法により、ウリカーゼ複合酵素(数種の酵素の複合体) をデンシメディエーターとともに電極に固定した。それを検査溶液に入れ、尿酸を添加するとその濃度に対応して酸化電流が増加し、尿酸センサーとして作用することを明らかとした。人工二分子膜を用いて構築センサーについては、反応基質の選択性が極めて高く、アスコルビン酸等の電気化学的に活性な妨害因子に対して、全く応答しないことを明らかとした。
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