研究課題/領域番号 |
10555307
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
大門 正機 東京工業大学, 工学部, 教授 (10016579)
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研究分担者 |
鯉淵 清 第一セメント(株), セメント生産課, 課長兼主任研究員
岡本 享久 太平洋セメント(株), 清澄研究所, 研究部長
坂井 悦郎 東京工業大学, 工学部, 助教授 (90126277)
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キーワード | セメントプラント / 廃棄物減容 / 社会基盤 / 塩素バイパス / 塩化カリウム / 品質管理 |
研究概要 |
都市型廃棄物の減容システムとして、セメントプラントによる都市型廃棄物や焼却灰の原料・燃料化が検討されている。その際、ポルトランドセメントには塩素含有量の規制があり、塩素バイパスをプラントに設置し、塩化カリウムを主成分とした塩素バイパスダストとして塩素を除去する検討がされている。このような都市型廃棄物の減容システムにおいては、塩化カリウムを含む塩素バイパスダストを、規制の範囲でポルトランドセメントに混合して行くことや塩化カリウムを多量に添加したセメントを目的別に利用して行くなどの総合的な社会基盤構築システムの提案が必要である。本研究は、このような都市型廃棄物のセメントプラントでの処理に伴い、必要となる品質管理システム、塩化カリウムを添加した場合のセメントの水和機構やさらに処理を目的に塩化カリウムを添加した高炉スラグ微粉末の水和について検討を加えた。また、下水汚泥焼却灰については、そのポゾラン反応性について明らかにし、実際の異形大型コンクリート製品を試作した。安定性も含めて現在暴露実験を継続中である。これらの基礎的研究を継続するとともに、さらに有害イオンの溶出試験なども行い、社会基盤構築システムの検討を行う。 今後は、塩化カリウムを添加した各種セメント構成化合物の水和率の検討、およびそれに基づく反応のモデル化と品質管理システムの確立および各種水和物による塩素イオンの収着現象の解明などの基礎試験を継続する。さらに塩化カリウムが添加された場合のアルミネート相の水和促進による流動性への影響や流動性を改善するための石灰石微粉末の添加の影響などを検討し、流動性、強度発現性状や鋼材の腐食限界なども考慮したセメントの材料設計により、都市型廃棄物の減容システムおよび社会基盤構築システムの確立を計る。さらに、社会基盤構築システムの実用化のために必要な大型実験も平行して実施する。 以上を総合的に評価し、全体的なシステムを構築する。
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