NO^+をイオン交換により合成したNO^+-Ga_<11>O_<17>多結晶体、NO^+-β^n-Al_2O_3単結晶、NO^+-β^n-Ga_2O_3単結晶を合成し、これらを固体電解質としてNOガスを定量検出することを目指した。 まず、NO^+-Ga_<11>O_<17>多結晶体を用いた濃淡電池の120℃におけるNO_x濃度変化に対する超電力変化を参照極NO濃度を10ppm一定とし、検出極のNOもしくはNO_2を2〜40ppmに変化させることにより調べた。NO濃度を変化させたときの超電力値のプロットの傾きから求めた反応電子数は0.85と理論反応電子数1.0とほぼ一致し、NOに理論的に応答したものの、NO_2濃度を変化させた場合にはそのような超電力変化は起こらなかった。このことから、2〜40ppmの範囲でNOおよびNO_2のうち、NOのみを高選択的に検出できることがわかった。また、固体電解質としてNO^+-Ga_<11>O_<17>多結晶体を、参照極としてNaNO_2を用いた一端封止型センサのNO検出特性を調べたところ、NO濃度を変化させたときの超電力値のプロットの傾きから求めた反応電子数は1.43となり、理論反応電子数1.0に近い値となり、NOに理論的に応答するものの、NO_2濃度を変化させた場合には得られた反応電子数は6.17とほとんど応答しないことから、2〜40ppmの範囲でNOおよびNO_2のうち、NOのみを高選択的に検出できることがわかった。 一方、導電率の高いNO^+-β^n-Al_2O_3単結晶、NO^+-β^n-Ga_2O_3単結晶を用いて濃淡電池を作製し、NO_x検出能を調べた結果、いずれもNOに対し理論的な応答は示さず、NOの濃度変化に対し、理論とは逆方向に超電力が変化した。これは、これら単結晶のNO^+へのイオン交換率がかなり低く、残存する一価の金属イオンの影響を大きくうけたためと考えられる。
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