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1998 年度 実績報告書

エン反応を基盤とするビタミンD誘導体の実用的合成法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 10555319
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京工業大学

研究代表者

寺田 眞浩  東京工業大学, 工学部, 助手 (50217428)

研究分担者 久保寺 登  中外製薬(株), 医薬企画部, 副部長
岡野 登志夫  神戸薬科大学, 薬学部, 教授
三上 幸一  東京工業大学, 工学部, 助教授 (10157448)
キーワードビタミンD / エン反応 / 不斉触媒 / ビタミンD誘導体 / 不斉合成 / 生理活性
研究概要

活性型ビタミンD(1α,25(OH)2-D3)は体内のカルシウム代謝を担う活性種であるが、白血病細胞の分化誘導作用をはじめとして癌細胞の増殖抑制作用など多彩な生理作用を示すことが報告されている。しかし、活性型ビタミンDそのものを白血病や癌治療薬として使用した場合、その大量投与による副作用、高カルシウム血症が問題となる。従って、治療薬としては本来のカルシウム代謝作用を抑制し分化誘導作用を高めた、いわば作用分離のなされた誘導体の開発が必要とされていた。そこで本申請研究は、申請者らが独自に開発したエン反応を基盤に、側鎖、A環、D環の実用的修飾法を開発するとともに、全く新しいビタミンD誘導体を創製することを目的とした。
本研究は側鎖、A環あるいはD環の修飾によって作用分離のなされたビタミンD誘導体を開発しようとするものであり、研究開始初年度にあたる本年度はこれらの研究計画の基礎的な段階としてA環の修飾を主に実施した。19-nor体をA環の基本骨格とし、水酸基の数およびその絶対配置、相対配置あるいは置換基を導入した各種異性体を設計し、これらの不斉合成を申請者らが独自に開発した不斉触媒を用いることによって達成した。これら修飾A環部の触媒的不斉合成では絶対配置の異なる触媒を使い分けることにより、天然型の3β体と非天然型の3-epi体を作り分けることができることを明らかにした。さらに得られた修飾A環部をビタミンD誘導体へと導き生理活性試験を行った結果、VDRに対する結合能が低いにも関わらず、従来の活性型ビタミンDと同等あるいはそれ以上の転写活性を示す誘導体を見出した。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 寺田 眞浩: "Singly Dehydroxylated A-Ring Analogues of 19-Nor-1α,25-dihydroxyvitamin D3 and 19-Nor-22-oxa-1α,25-dihydroxyvitamin D3" Biol.Pharm.Bull.21・12. 1300-1305 (1998)

  • [文献書誌] 寺田 眞浩: "“Symmetry"in the Synthesis of the A-Ring of a Vitamin D Hybird Analogue with Significant Transactivation Activity" Tetrahedron Lett.39. 3359-3362 (1998)

  • [文献書誌] 寺田 眞浩: "Complephensive Asymmetric Catalysis(in press)" Springer, (1999)

  • [文献書誌] 寺田 眞浩: "Lewis Acid Reagents:A Practical Approach" Oxford University Press, 44 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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