研究課題/領域番号 |
10555324
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
鯉沼 秀臣 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (70011187)
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研究分担者 |
吉田 泰彦 東洋大学, 工学部, 教授 (80134500)
加藤 信子 株式会社ブリヂストン, 研究開発本部・研究部・1部, ユニットリーダー(研究職)
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キーワード | 大気圧プラズマ / コンビナトリアルプラズマプロセス / プラズマ表面処理 / プラズマ重合 / プラズマCO_2固定 |
研究概要 |
1.大気圧低温シャワー型プラズマ発生装置の改良 高分子フィルムを両サイドに設置したローラーでアノードに接しながらステッピングモーターにより巻き取りつつプラズマ処理を行う過程で、フィルムの送りに同期してRF(13.56MHz)パワー、反応ガスの種類や流量などのプラズマパラメーターをコンピューター制御するコンビナトリアル処理機構を開発した。また、アルミニウム製のカソードの形状を従来の円形から四角形としたことで、均一な処理が可能となった。電源についても、プラズマのさらなる低温化と反応増進・制御を目的として、RFパワーを短時間にオン、オフするパルス機能を導入した。パルスの効果でプラズマガス温度がさらに低くなることが確認され、熱の影響を受け易い高分子フィルムに対してもダメージを与えることなく、より安定にプラズマ処理を行なえるようになった。プラズマはガス温度が80℃程度の超低温(ソフト)プラズマである。 2.大気圧低温プラズマを用いたプラズマ重合薄膜中へのCO_2固定 上記シャワー型装置で発生するソフトプラズマを大気中に放出させ、二酸化炭素と有機化合物とのプラズマ反応によるCO_2固定有機薄膜の作製を試みた。有機化合物はメタン、ブタジエン、ベンゼン、キシレン、スチレンを用いた。ガスはHeガスにモノマーガス及びCO_2ガスを混合し装置に導入した。実験の結果、全ての有機モノマーから薄膜が形成された。またCO_2ガスを添加した薄膜のFT-IRには1330cm^<-1>付近に明確なカルボニル基の吸収を示し、CO_2はエステルまたはカルボン酸として取り込まれていることが確認できた。連続プラズマではCO_2の完全な分解が進行するのに対し、パルス化によりC=Oが保存されたCO_2固定を実現した。
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