研究課題/領域番号 |
10555330
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊藤 紳三郎 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50127049)
|
研究分担者 |
片山 茂 日東電工株式会社, 基幹技術センター, 主幹研究員
大北 英生 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50301239)
|
キーワード | 積層膜 / 高分子 / 分極 / ナノ構造 / 光誘起光学効果 / 吸着 / 非線形色素 |
研究概要 |
電子やホールをもつ材料を用いて空間的な構造を作ると、大きな局所内部電場が発生する。我々はすでに電荷移動相互作用により高分子交互積層薄膜が形成できることを示したが、本研究ではこの構造作製技術の確立と光機能材料への展開を目指して以下のような研究を進めた。 1、交互吸着法により得られる積層薄膜のナノ構造制御技術の確立 カルバゾール、ジニトロベンゾエートを電子ドナー、アクセプターとして側鎖にもつMMA系高分子が電荷移動による交互吸着膜を形成することを見出した。積層薄膜の形成条件(濃度、吸着時間、湿度等)を確立し、再現よくナノメータスケールの積層構造を作製することが可能になった。これらの交互積層薄膜に関する自動累積装置の作成、構造評価のために分析手法の確立も行った。 2、交互積層薄膜と非線形光学色素とのハイブリッド化 光誘起光学効果を発現させるためのナノ構造設計、NLO色素と積層膜とのハイブリッド化を行った。DR1色素を用いることにより最大30%の非線形光学色素を導入してナノ積層膜を作製できた。さらに得られた膜材料が非線形光学効果をもつことを確認した。 3、表面吸着有機配向機構の解明 表面吸着過程で非対称中心をもたない優先配向が起こり、2次高調波の発生が確認された。この配向機構について研究し非線形光学定数と膜構造の関係を探索するとともに、光誘起内部分極を増強するための構造設計を行った。
|