研究課題/領域番号 |
10555331
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
升谷 五郎 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20271869)
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研究分担者 |
松本 尚之 石川島播磨重工業株式会社, 技術本部技術研究所流体・燃焼研究部, 研究員(研究職)
滝田 謙一 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80282101)
〓 詒光 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60261468)
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キーワード | プラズマジェット / 着火・保炎 / スクラムジェット |
研究概要 |
低圧の超音速気流中における水素噴流のプラズマ点火器による着火特性を調べるために、プラズマトーチ、同電源、真空タンク(容積約8m^3)、設計マッハ数2の2次元超音速ノズルおよび試験部を整備した。 まず初めに、大気吸い込みによる超音速気流の成立を試験した。真空タンクを5kPaまで減圧して仕切り弁を開いた場合、流れは約30秒間試験部全域でマッハ約1.8の超音速を保つことが分かった。次に、超音速流中でプラズマトーチのみを作動させた場合に、作動ガスが窒素と酸素のどちらでも安定して作動すること、トーチの発熱で気流がチョークしないこと、仕切り弁のシール材を劣化させないことを確認した。水素燃料はプラズマトーチの上流あるいは下流の壁面から、主流に対して30゚,60゚,または90゚で噴射した。上流から噴射した場合、低圧かつ低温の状態にも関わらず、いずれの噴射角度でも問題なく着火できた。燃焼により形成されたpre-combustion shockは噴射角度が60゚の場合に最も上流に達し、この時最も強く燃焼したことを示している。下流から噴射した場合には、噴射位置がトーチに近いほど、また入力電力が大きいほど着火しやすいことが分かった。さらに、作動ガスとして窒素を用いた場合の方が、酸素を用いた場合より着火しやすいことが分かった。 プラズマトーチによる着火機構及び保炎機構を解明するために、可燃混合気にトーチで形成される振動励起された気体分子あるいは解離したラジカルを添加したときの、着火遅れ時間の短縮及び燃焼速度の増加を理論解析した。この結果、振動励起分子は着火遅れ時間短縮に寄与しないこと、同じ濃度の酸素原子と窒素原子は同程度の着火遅れ時間短縮及び燃焼速度増加の効果があること等が明らかになった。
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