研究課題/領域番号 |
10555338
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
角 洋一 横浜国立大学, 工学部, 教授 (80107367)
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研究分担者 |
井山 向史 横浜国立大学, 工学部, 助手 (90013698)
川村 恭己 横浜国立大学, 工学研究科, 助教授 (50262407)
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キーワード | ダブルハル船体 / 船体強度 / 疲労き裂 / 破壊力学 / 応力拡大係数 / 重み関数 |
研究概要 |
大規模破壊の前兆を把握し、計画的な保船管理の指針を与えるためには、疲労き裂伝播余寿命評価が必要である。船体構造は同一の構造詳細が多数存在し、構造部位によって荷重条件(き裂発生前の応力分布)のみが異なる場合が多いので、本年度の研究では、この点に着目した効率的な応力拡大係数算定法を提案する。 二重船殻構造の疲労き裂として問題となる構造交差部の表面き裂や複雑な形状の貫通き裂の応力拡大係数の算定を効率的に行うために、重み関数による数値的手法の開発を試みた。この手法によれば、与えられたき裂形状に対する重み関数と呼ばれる関数を一度決定しておくと、任意の荷重条件に対する応力拡大係数が容易に求められる。本研究では、き裂の重み関数を数値適に計算し易い形で新たに定義するとともに、この手法を用いて3次元板骨構造の貫通き裂や3次元表面き裂の応力拡大係数の算定を行った。適用例として、ビルジナックル部内底板および横桁のT型貫通き裂や二重船殻ビルジナックル部の表面き製を解析し、本手法の有効性を確認した。 本手法は、船体構造のように負荷条件の異なる同一構造詳細が多数存在する構造への適用性は極めて高く、構造設計における疲労検討に有用な解析技術を提供したと思われる。
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