研究課題
今年度の研究実績の概要は次の通りである。1.前方翼車の性能の改良を図るために、直径が160mmでピッチ比が半径方向に変化する翼車を10コ作成した。プロペラは,既存の直径180mmのプロペラを用いることにして、回流水槽において、前方翼率、プロペラおよび2者の組合せに対して、夫々の性能および干渉の実験を行った。今回の翼車とプロペラの組合せでは、効率が1%程度悪くなった。2.プロペラと前方翼車および舵の相互干渉を解析するプログラムを、簡易プロペラ理論と簡易舵理論を発展させて作成した。このプログラムを用いて、実験に対応する計算を行って、ほぼ相互干渉のメカニズムを解明することができた。3.回流水槽での前方翼車とプロペラとの相互干渉実験の結果をふまえて、効率が最も良かった前方翼車の直径を小型模型船(長さ2.50m)用に100mmとして作成し、九大水槽にて抵抗試験、自航試験およびプロペラ単独試験を行った。残念ながら、全体の推進効率は2〜3%悪くなった。省エネルギー装置は大型模型船を用いることが強く希望される。4.曳航水槽とキャビテーション水槽における前方翼車の実験法について検討し、治具を使えば実施可能であることが分かった。
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