研究課題
基盤研究(B)
平成10〜12年の研究実績は次の通りである。1.翼数、直径、ピッチの異る前方翼車を22コ作成し、プロペラとの干渉実験を回流水槽で実施し、プロペラと逆方向に回る前方翼車では、推進性能を改良することはできないことが分った。2.プロペラの後方における速度場を計測し、遊転プロペラ後方の流れが遅くなっており、後方にプロペラを置けば推力を増すことを確認した。3.直径24cmの8枚翼の左まわり前方翼車を4コ(平板翼車F60、F65および一定ピッチ翼車C60、C65)作成して、回流水槽において前方翼車の単独性能およびプロペラMP.261(直径24.08cm)との干渉実験を行った。結果は翼車とプロペラが逆方向に回転するものであったため、翼車をつけると性能は悪くなった。4.空洞水槽において、F65とC60および右まわりプロペラ2コMP.105、261および左まわりプロペラMP.262との干渉試験を行った。その結果、逆方向に回るF65+MP.105、F65+MP.261では、前方翼車なしの時と比べて性能は悪くなったが、同方向に回るC60+MP.262では、ほとんど悪くならなかった。キャビテーションの発生は、前方翼車をつけるとかなり減少するのが確認された。5.同方向に回るC60+MP.262を大型模型船(長さ6m)につけて、自航試験を行い、3種のプロペラ性能を用いて、推進性能を解析し、2船速において前方翼車による推進性能の改良が確認された。6.直径10cmの平板翼車を6コ作り、Wigley船型を用いて自航試験を行い、プロペラと同方向に回る8翼の翼車によって、推進効率が改良されるのを確かめた。7.4に対応する理論計算プログラムを作成し、前方翼車付船の干渉メカニズムを明らかした。
すべて その他
すべて 文献書誌 (17件)