D2EHPAで担持されたCo、SmおよびNi有機相を、常温常圧下でシュウ酸溶液と混合撹拌する事により晶析逆抽出を試みた。さらに超音波を照射についても検討した。さらに得られた晶析物の形態変化をX線回折、SEM、粒度分布測定装置を用いて検討した。 Coの場合、従来の沈殿法と比較して、晶析逆抽出法の方が小さな粒子が得られた。晶析逆抽出法で得られた晶析物は、長軸径が10〜30μm程度の棒状粒子であった。超音波が照射した場合、シュウ酸濃度の低い領域で粒子の微細化、高い領域でアスペクト比が増加する傾向を示した。 Smの場合も超音波照射系において非照射系と比べてより微細な粒子が得られた。しかし、シュウ酸コバルトと比較すると、その変化の程度は小さく、また64W以上ではその効果はほとんど見られなかった。粒子形状は針状を示すことが多く、ただ、塩酸をその反応系に添加した場合のみ平板状粒子に変化した。 Niの場合、長軸径150nm、短軸径100nmの長方体粒子が得られた。粒子サイズは、酸濃度、シュウ酸濃度、D2EHPA濃度、撹拌強度にあまり影響されなかった。ただし、超音波を機械的撹拌と併用することにより、粒子の凝集を防ぐ効果があることが分かった。
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