研究課題/領域番号 |
10556001
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中園 幹生 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70282697)
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研究分担者 |
西村 繁夫 筑波大学, 農林学系, 教授 (70089853)
堤 伸浩 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00202185)
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キーワード | イネ / シアン耐性呼吸 / altenative oxidase / 低温耐性 |
研究概要 |
本研究により同定されたイネシアン耐性呼吸末端酸化酵素alternative oxidase 1a(AOX1a)遺伝子をプローブにして、常温で生育させた品種「コシヒカリ」の幼穂より調整した切片を用い、in situ ハイブリダイゼーションを行った。その結果、小胞子初期の葯のタペート組織にイネ AOX1a 遺伝子の mRNA の局在性が観察され、AOX1a 遺伝子は花芽器官の中ではタペート特異的に発現することが明らかになった。 シアン耐性呼吸酵素遺伝子導入による低温耐性イネを作出するために、ユビキチン遺伝子のプロモーターの下流にイネAOX1a 及び AOX1bの cDNA をつないだイネ形質転換用のプラスミドを作製した。挿入した断片の塩基配列を確認後、アグロバクテリウム法によりイネ品種「ササニシキ」に形質転換した。これより T_0世代の AOX1a 導入植物が25個体、AOX1b導入植物が47個体得られた。それぞれの植物体より全DNAを抽出し、プロモーターとターミネーターに特異的なプライマーを用い PCR法で挿入断片の有無を調査した結果、17個体の AOX1a導入植物と30個体のAOX1b導入植物で染色体への挿入断片が確認できた。 今後、挿入断片の確認できた形質転換イネ系統を用い、AOX1a及びAOX1b タンパク質量が増加しているかどうかをウエスタンブロッティング法により確認する。AOX1a及びAOX1bのタンパク質量の多い系統をそれぞれ数系統ずつ選抜後、T_1世代の植物を育成し、T_2世代の種子を得る。次年度、作出された形質転換イネに低温抵抗性が付与されたかどうかを検定する予定である。
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