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2000 年度 実績報告書

イネ・トマトにおける易変性葉緑素突然変異を利用したトランスポゾンの捕捉

研究課題

研究課題/領域番号 10556002
研究機関岡山大学

研究代表者

前川 雅彦  岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (00142703)

研究分担者 坂本 亘  岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (20222002)
桝田 正治  岡山大学, 農学部, 教授 (90026617)
小倉 豊  岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (60224193)
奥本 裕  京都大学, 大学部・農学研究科, 助教授 (90152438)
長谷川 博  滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (00090457)
キーワード易変性 / 斑入り / 葉緑素変異体 / 転移 / トランスポゾン / イネ / トマト
研究概要

キンギョソウのTam3コピーの転移頻度は、染色体の位置によって大きく異なることを明らかにした。同一の構造を持つTam3コピーの転移頻度を比較解析することにより、Tam3コピー間の切り出し活性の違いが、コピーの挿入位置の違いに起因する可能性の高いことを示した(貴島)。
イネ易変性突然変遺伝子slgは、YACクローンY3356とY1774の重複部分に座乗していることが明らかとなり、slgのクローニングを目的として両YACクローンに共通して存在するcDNAクローンを同定した。また、制限酵素MspIによる切断末端塩基Cのメチル化の程度をslg保有系統と原品種との間で比較した結果、slg保有系統においてメチル化程度が低下しており、slgがゲノムのメチル化に影響を及ぼすことが判明した(奥本)。
遠縁イネ間交雑F2から生じた葉緑素異常変異体は、斑入りを示す場合があり、しかもその後代から復帰変異体が生じてくることが明らかになり、不安定な遺伝子を有することが判明した.さらに、この遺伝子をヘテロにした個体では、穂によっては全く変異体を分離せず、生殖細胞形成以前に正常型に復帰していることが推定された(前川)。
イネのガンマー線とアジ化ナトリウム処理を行なったM1穂を播種し、葉緑素突然変異の穂内分離頻度が著しく低い、あるいは高い穂を選抜し、突然変異体がみられた同じ枝梗の正常個体を育成した。この後代における分離比の変動、あるいは交配母本としての利用からトランスポゾンの検出が可能かどうか検討中である(長谷川)。
イネにおけるアントシアニン着色をプロモートする制御遺伝子Purple leaf遺伝子について、特にPlw遺伝子座の構造を決定した。特に、OSB2遺伝子は、今までの制御遺伝子にはみられなかった非常に長いイントロンを有していることが明らかになり、これらのイントロン内にはレトロトランスポゾンの一部と考えられる配列が多数存在していた(坂本)。
トマトのMu様DNA配列Lyt2-2中のORF718から予想されるアミノ酸配列は、トウモロコシのMu類似低コピートランスポゾンJitteryのトランスポゼースのアミノ酸配列と高い類似性を示した。しかし、Lyt2-2とJitteryの末端の逆位反復配列(TIR)に相同性は見られなかった(小倉)。
トマト種子へのイオンビーム照射により、M2世代で多くのalbino,xantha,viridis系統を得た。これらの変異形質にトランスポゾンが関与するかどうかは今後の課題である(桝田)。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Sakamoto,W., et al.: "Complex organization of the rice Purpla leaf locus involved in tissue-specific accumulation of anthocyanin."Rice Genetics IV. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Zhao,C.M., et al.: "A chlorate resistant mutant of rice (Oryza sativa L.) with normal nitrate uptake and nitrate reductase activity."Breeding Science. 50. 9-15 (2000)

  • [文献書誌] Teraishi.M., et al.: "Identification of YAC clones.containing the mutable slender glume locus slg in rice (Oryza sativa L.)."Genome. 44. 1-6 (2001)

  • [文献書誌] Nagano,H., et al.: "Structural differences in the vicinity of the waxy locus among Oryza species with AA-genome : identification of variable region."Theoretical and Applied Genetcs. 100. 376-383 (2000)

  • [文献書誌] Kitamura.K., et al.: "Position effect of the excision frequency of the Antirrhirumtransposon Tam3 : Implication for position-dependent methylation degree in the ends of the element."Plant Molecular Biology. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Maekawa et al.: "Genetic mechanism of variegation of a chlorophyll mutant originated from the cross between distantly related rice varieties"Rice Genetics IV. (in press). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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