研究課題/領域番号 |
10556003
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 国立遺伝学研究所 |
研究代表者 |
倉田 のり 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助教授 (90178088)
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研究分担者 |
野々村 賢一 国立遺伝学研究所, 実験圃場, 助手 (10291890)
伊藤 幸博 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助手 (70280576)
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キーワード | イネ / エンハンサートラップ / Ac / Ds / 形質転換体 / Ds-GUS転移 / 染色体挿入シリーズ / エンハンサースクリーニング |
研究概要 |
本研究課題では新たなイネ実験系統としてエンハンサートラップラインを作成し、様々な突然変異体の選抜およびその原因遺伝子の単離やエンハンサーの同定を行う。今年度は以下の内容について結果を得た。(1)Ds-GUS系統の作成とマッピング: Ds-GUSベクターは、CaMV 35S RNAの最小プロモーターにレポーターGUS遺伝子のコード領域を連結したトラップと選択マーカーとしてハイグロマイシン耐性遺伝子がトウモロコシDs上にのったものを用いた。Ds-GUSを挟んで35Sプロモーターとクロルスルフロン耐性遺伝子コード領域が存在するため、Ds-GUSが切り出されるとクロルスルフロン耐性遺伝子が発現するように設計されている。これまでにアグロバクテリウムを介してDs-GUSベクター導入イネを263系統作成し、完全長で導入されたDs-GUSのコピー数の確認を行った。その結果、1コピーのものが42系統、2コピーのものが50系統得られた。1コピーと判断されたものは挿入領域のマッピングのため、その隣接ゲノム領域のクローニングを行った。得られた隣接ゲノムの塩基配列を決定しホモロジー検索したところ、イネESTと同じ配列を持つものなどがいくつか見られた。またクロルスルフロン耐性遺伝子がイネでも機能することを確認した。Ds-GUSは挿入ゲノム領域の近傍に集中的に転移する性質をもつので、イネ12本の染色体の各腕にDs-GUSが挿入された24の系統の確立を計画している。今後Ds-GUSの挿入隣接領域のクローンでマッピングを行うと同時に35S-Acと交配し、転移頻度を調べていく。(2)35S-Ac系統の作成: 35S-Acベクターは、35Sプロモーター下にAcトランスポゼースコード領域を連結し、選択マーカーとしてビアラフォス耐性遺伝子を結合した。今年度は35S-Acを導入したイネを十数系統作成した。今後,それぞれの系統のAcTPaseの発現量、Ds-GUS系統と掛け合わせた場合のDs-GUSの転移頻度を測定していく。
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