研究課題/領域番号 |
10556007
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
尾谷 浩 鳥取大学, 大学院・連合農学研究科, 教授 (50032305)
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研究分担者 |
板井 章浩 鳥取大学, 農学部, 助手 (10252876)
児玉 基一朗 鳥取大学, 農学部, 講師 (00183343)
中島 廣光 鳥取大学, 農学部, 助教授 (40144646)
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キーワード | 宿主特異的毒素 / 細胞培養 / 毒素耐性細胞 / 細胞選抜 / 病害抵抗性 |
研究概要 |
1. 宿主特異的毒素の探索 最近、新潟県でAlternaria属菌による西洋ナシ黒斑病の発生が報告されたが、これまで明かとなっている宿主特異的毒素(HST)生成菌はAlternaria属菌が多いので、本菌のHST生成有無について検討した。しかし、本菌の西洋ナシに対する病原性は弱くHST生成を確定するまでには至らなかった。 2. 宿主特異的毒素の単離と簡易抽出法の確立 最近、HST生成が明かとなったトマト褐色輪紋病菌(Corynespora cassiicola)の培養ろ液よりHST(CCT毒素)の単離精製を試みた結果、分子量2,780の環状のペプチドであることが明かとなった。一方、ナシ黒斑病菌(A.alternata)のHST(AK毒素)やアブラナ科植物黒すす病菌(A.brassicicola)のHST(AB毒素)は、化学的に不安定な物質で複雑な単離操作の過程で容易に失活するが、胞子発芽液を用いることにより比較的簡易にHSTを単離精製することが可能となった。 3. 植物の細胞培養と植物培養細胞からの宿主特異的毒素耐性細胞の選抜 トマト褐色輪紋病は栽培品種に広く発生がみられ、これまで抵抗性品種は育成されていない。そこで、培養細胞からのCCT毒素耐性細胞選抜による褐色輪紋病抵抗性トマト品種の作出を試みた。トマト品種の桃太郎を用いて、まず、細胞培養と培養細胞からの個体再生を検討した。その結果、胚軸より誘導されたカルスのなかで、緑色小斑カルスより効率よく植物個体が再生されることが明かとなった。次に、これらカルスにCCT毒素を処理すると、ほとんどのカルスは褐変枯死したが、褐変のみられないカルス数株が得られた。現在、これらのカルスからの植物個体再生実験を継続中である。
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