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1998 年度 実績報告書

分子生物学的手法を用いた酷似害虫の鑑別法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 10556008
研究種目

基盤研究(B)

研究機関東京大学

研究代表者

石川 幸男  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60125987)

キーワードアワノメイガ / ミトコンドリアDNA / 系統解析 / Ostrinia / 姉妹種
研究概要

日本産Ostrinia属6種および日本には分布しないヨーロッパアワノメイガを含めたグループIIIの7糧53個体について、ミトコンドリアDNAのチトクロームオキシターゼ・サブユニットII(COII)遺体子682bpの塩基配列を決定し、系統解析を行った。
グループIIIの7種の間で、23のハプロタイフが見つかった。推定されたミトコンドリアDNAの系統樹においてグループIIIは単系統と異なり、グループIIIの7種ふきわめて近縁な単系統群であることが支持された。各個体間の塩基置換率は0.00-2.53%と低く、この値は他の昆虫では近縁種間または種内変異のレベルである。ミトコンドリアDNAの進化が中立で、100万年に1%の割合で塩基置換が起きると考えれば、グループIIIは最近100万年ほどの間に種分化したと考えられた。
グループIII内の種の系統関畔については、雄の中脚けい節に基づくサブグループの単系統性はミトコンドリアの系統樹からは支持されず、かわりにsmall-tibiaサブグループのメンバーであるニセアワノメイガ、ヨーロッパアワノメイガ、そしてlarge-tibiaサブグループのメンバーであるアズキノメイガの3種の近縁性が強く示された。ニセアワノメイガとヨーロッパアワノメイガは形態学的にみて非常に近縁な同胞種であると考えられているが、ミトコンドリアDNAのデータはこの扱いを支持した。他の4種については、フキノメイガとO.sp.が姉妹種であることが示唆されたが、この2種と、アワノメイガ、ゴボウノメイガの間の系統関係についでははっきりしたことはわからなかった。ゴボウノメイガとフキノメイガの関係は、ニセアワノメイガとアズキノメイガの関係とともに、形態学的には同胞種であると考えられるが、ミトコンドリアDNAからは両者の間にニセアワノメイガとヨーロッパアワノメイガほどの近縁性も姉妹関係も示唆されなかった。アワノメイガとヨーロッパアワノメイガが近縁モなかったことから、この2種のトウモロコシの寄主獲得が独立に進化したことが示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Ishikawa Y.,T.Takanashi and Y.Huang: "Comparative siudies on the sex pheromones of Ostrinia spp.in Japan the burdock borer Ostrinia zealis" Chemoecology. 9(印刷中). (1999)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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