研究課題/領域番号 |
10556019
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
室岡 義勝 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029882)
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研究分担者 |
小野 比佐好 大阪大学, 遺伝情報実験施設, 助手 (40224274)
山下 光雄 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40220347)
金子 嘉信 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90161182)
芦刈 俊彦 サントリー(株), 基礎研究所, 主席研究員
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | 乳酸菌 / プロピオン酸菌 / コレステロール酸化酵素 / デンプン分解能 / アミラーゼ遺伝子 / プロバイオティクス |
研究概要 |
本研究は、プロバイオティクスとして注目されている乳酸菌及びビタミンB12生産菌のプロピオン酸菌等の食品微生物を育種するための効率の良い技術を開発し、コレステロール及びデンプン分解能を付与した多機能な食品用優良株の育種を目的とし、以下の研究を行った。(1)発酵食品より分離した乳酸菌及びプロピオン酸菌の新規プラスミドを用いて、薬剤耐性を持たない実用化ベクターを構築。(2)実用乳酸菌及びプロピオン酸菌への効率的な遺伝子導入系の開発。 (3)デンプン分解乳酸菌よりアミラーゼ遺伝子のクローニング。(4)デンプン分解乳酸菌へのコレステロール分解能の付与。(5)プロピオン酸菌へのアミラーゼ及びコレステロール分解遺伝子の導入。(6)育種菌による食品中のコレステロールの分解試験の実施。 乳酸菌に関する研究においては、フィリピンの伝統発酵食品より分離したアミラーゼ分解能を持つ菌株、Lactobacillus plantarum株を選択し、この菌株の宿主-ベクター系を開発した。この菌株より脂質代謝のキーエンザイムであるacetylcoenzyme A carboxylaseの遺伝子とそれに関係する遺伝子群を分離し、accオペロンを構成していることを明らかにした。また、accオペロンのプロモーターを利用して、放線菌のコレステロール酸化酵素を乳酸菌内で発現させた。 一方、プロピオン酸菌に関する研究においては、報告されているプラスミドを分離して、その全塩基配列を決定した。これはプロピオン酸菌プラスミドの最初の報告となった。この塩基配列を基に、プロピオン酸菌のほぼ全ての菌株で利用できるベクターを構築し、効率の高い形質転換系を開発した。さらに、プロピオン酸菌よりプロモーターを分離し、コレステロール酸化酵素の高発現にも成功した。 以上の技術開発により、これらプロバイオティック菌株に機能をさらに付加することが可能となり、食品加工用にも応用できるものと思われる。
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