研究課題/領域番号 |
10556028
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
赤坂 和昭 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (10201881)
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研究分担者 |
高橋 宏明 東ソー(株), 科学計測事業部, 技術研究員
大類 洋 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (20100050)
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キーワード | 過酸化脂質の分析 / 蛍光分析 / 高速液体クロマトグラフィー / ジフェニル-1-ピレニルホスフィン |
研究概要 |
フェニル化シルカゲルカラムを用いたグラジエント溶出法よる分離と蛍光検出試薬であるジフェニル-1-ピレニルホスフィン(DPPP)溶液を用いたセミミクロHPLC過酸化脂質分析システムを用い、生体内活性酸素の新しい消去システムの可能性が示唆されているX(活性酸素種)-Y(触媒種)-Z(受容種)化学発光系の評価を行った。活性酸素種(X)として過酸化水素を、Y種として没食子酸を、Z種としてアセトアルデヒドを用いた系について、過酸化水素の減少量を本システムで追跡するとともに、過酸化水素以外の過酸化物の生成の有無を確認した。その結果、過酸化水素はY、Z成分と混合した直後から徐々に減少し、実際に過酸化脂質消去系として働いていることを確認した。また、Mnイオンなどの金属イオンの添加により発光強度増加が報告されていることから、それらの効果についても検討した。その結果、添加量に応じ過酸化水素の減少速度は増加した。化学発光検出では金属イオンには至適濃度が存在するとの報告があったが、過酸化水素減少で観測した限りではその様な現象は認められず、金属イオンによる消光現象がある物と考えられ、直接過酸化物の減少を追跡する本法が有効性であることが明らかとなった。また、食品中の過酸化物消去成分の検索システムとしての応用を検討した。遊離脂肪酸、ホスファチジルコリン、及びトリグリセリドの各ヒドロペルオキシド混合溶液と各種飲料を混合し37℃で振騰した後、抽出してHPLC分析を行った結果、いくつかの食品中に強い過酸化脂質分解活性があることを明らかとした。
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