研究課題/領域番号 |
10556031
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
吉井 英文 鳥取大学, 工学部, 助教授 (60174885)
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研究分担者 |
豊見 昭 栗本鉄工所(株), 混練事業部, 部長「研究職」
尾崎 雄一 佐竹製作所(株), 技術本部・科学研究課, 係長「研究職」
古田 武 鳥取大学, 工学部, 教授 (10026164)
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キーワード | シクロデキストリン / 二軸混練機 / 噴霧乾燥 / フレーバー / 徐放 |
研究概要 |
1)アルコールを溶媒としたフレーバー包接シクロデキストリン粉体を作成に関して、d-リモネンをモデルフレーバとして、アルコール添加量の影響を中心について検討した。その結果、エタノールを溶媒としたとき,β-CDに対して最適な添加量が存在し、CDに対して約20モル倍のエタノールを添加したとき最大の包接複合体量が得られた。無水エタノール、及び無水メタノールを溶媒としてフレーバー包接複合体形成反応は、アルコールに対して自己触媒的に包接複合体が形成される、CDとアルコールの吸着結合体が形成され包接複合体形成反応を阻害するとしたモデルにより表されるとした。このモデルにより、CD当たりに包接されるフレーバー量は、次式で表される。 R=a/{i+K_m/S+S/K_i(1-(S/K_i)^n)/(1-S/Ki)} ここで、a:包接反応速度定数、Km:包接反応の平衡定数、Ki:アルコールとCDの吸着平衡定数、n:CDへのアルコール吸着数である。この式を用いて最適アルコール添加量を推算する式を提案した。 2) 各種フレーバー包接シクロデキストリン粉体を、湿式混練法により作成した。この作成粉体を25mg/mlとなるよう内径10mmの試験管に入れ、100℃に加熱した。加熱浴中におけるフレーバー残留率は、フェニルエタノール>リモネン>カプロン酸メチル>AITCの順に大きく、フレーバー残留率は1次徐放反応速度式で表すことができた。また、各フレーバーの見かけの1次徐放速度定数は、α-CD>β-CD>γ-CDの順に小さくα-CDに包接させたフレーバーの残留率が高かった。乳化フレーバーを噴霧乾燥により作成し、その徐放速度についても検討中である。 作成したフレーバー粉末を米に添加し、炊飯中に徐放したフレーバー量をにおいセンサーで測定すると共に炊飯後の残留フレーバー量をガスクロマトグラフで測定した。モデルフレーバーとしてd-リモネンを用いた場合、粉末添加量に対しては乳化エマルジョン径を約0.9um程度とした噴霧乾燥粉末とβ-CDに包接させた粉体の残留率が高かった。
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