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1999 年度 実績報告書

天然および人工放射性核種を用いた森林荒廃程度の定量法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 10556032
研究機関名古屋大学

研究代表者

竹中 千里  名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (40240808)

研究分担者 米延 仁志  鳴門教育大学, 教育学部, 助手 (20274277)
浜島 靖典  金沢大学, 理学部, 助手 (60172970)
恩田 裕一  筑波大学, 地球科学系, 講師 (00221862)
安池 慎治  財団法人 電力中央研究所, 環境科学部, 主任研究員
キーワードCs-137 / 侵食 / 堆積速度 / ウラン系列 / トリウム系列 / K-40
研究概要

本研究の目的は、森林荒廃程度を定量的にとらえる方法の新たな試みとして、放射性核種を物質移動および物質循環のトレーサーとして用いる手法を確立することである。今年度は、実際の人工林の侵食速度の見積もりを行うために、林地の下方にある池に堆積している土砂のCs-137の測定を行った。三重県大宮町のヒノキ人工林において、その下方の池の堆積物のコア試料を取り、1cm毎にCs-137の測定を行った。その結果、ある深さ以深では、Cs-137が検出させず、その層付近を1954年として、年平均土砂堆積速度を見積もることができた。また、一方森林土壌におけるCs-137の存在状態として、有機物含有量との関係から、腐植・粘土結合物質への吸着が主であることが示唆されたが、侵食過程によりその状態が変化することが考えられた。池の堆積物としては、粘土鉱物への吸着態が重要であることが考えられる。
また、Cs-137以外の核種として、ウラン系列、トイウム系列およびK-40等の濃度関係を調べた。その結果、風化や侵食の過程を経て生産されたと仮定される。堆積土砂では粒径が小さいほどそれらの核種の濃度が高いことが示唆され、その関係は各地質の流域毎に特徴的であることが明らかとなった。その特徴を用いて、岐阜県揖斐郡坂内村周辺の流域から下流の横山ダムへの侵食土砂の寄与率を求めたところ、花崗岩流域の寄与率が70〜80%であると見積もられ、花崗岩流域の2倍の面積の中古生層流域よりも花崗岩流域のほうがはるかに土砂生産が活発であることが明らかとなった。これらの測定では、ウラン系列のPb-214とBi-214,トリウム系列のTl-208とPb-212、およびK-40が土砂トレーサとしての適応性が高い可能性が示された。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tsujimura,M.,Onda,Y.,Fujiwara,J. and Ito,J.: "Hydrometric and tracer approaches to investigate rainfall-runoff processes in mountainous basins with different geology"International Association of Hydrological Sciences Publication. 288. 159-166 (1999)

  • [文献書誌] 恩田裕一: "放射性同位体元素を用いた林内の荒廃プロセスに関する研究"アイソトープニュース. 543. 2-4 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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