研究課題/領域番号 |
10556038
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小松 幸平 京都大学, 木質科学研究所, 助教授 (20283674)
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研究分担者 |
原 康之 三井ホーム, 技術開発研究所, 研究員
川井 秀一 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (00135609)
瀧野 真二郎 京都大学, 木質科学研究所, 助手 (90115874)
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キーワード | ラグスクリューボルト / 接合金物 / 靭性 / 高耐力 / 高剛性 / 集成材 |
研究概要 |
1.引張・圧縮ともに効く筋違金物の開発:既往の筋違金物を参考に、偏心荷重を受けず、かつ引張、圧縮にも同程度に剛性・耐力を発揮できるボルト接合型筋違金物を試作した。材質はダクタイル鋳鉄を用い、105mm角の筋違を1本の直径12mmドリフトピンで接合する形式とした。筋違と金物の接合方法として、プレート挿入型とバイブ挿入型の2種類を試作した。壁長さ910mm、高さ2730mmの片筋違付き耐力壁を130mm角のベイマツ集成材を用いて作成し、静的正負繰り返し水平加力実験を行った。筋違を接合しているドリフトピンの端距離を基準ぎりぎりの7d(d:直径)とした結果、引張力を受ける場合の方が、圧縮力を受ける場合より、最大耐力、靭性が少し低下した、しかし耐力壁としての性能は構造用合板を釘打ちしたものに匹敵することが確認できた。次年度では引張力に対してより高耐力、高靭性となるよう筋違端部の端距離を10dに改良して同様の実験を行う予定である。2.ラグスクリューボルトの改良:既往のラグスクリューボルト(以後、RBと記す)の軸内部に雌ネジを加工した新たな接合具を開発した。埋め込み長さを50mmから280mmまで変化させたRBの引き抜き耐力実験をベイマツ集成材を対象に行った。単位埋め込み長さ当たりの最大引き抜き耐力は一定値となった。また、その値は、RBが埋め込まれている面積に木材の最大せん断応力度を掛けた値にほほ等しかった。一方、引き抜きすべり係数は埋め込み長さに比例する傾向が認められた。さらに、2本のRBを埋め込んだモーメント抵抗接合部を試作し、その予備的な強度実験を行った。RBからは破壊しなかったが、RBと接合している引張ボルトの座金のめり込み等によって予備試験体は破壊し、総合的な面からモーメント抵抗接合部の強度設計を行う必要性が再認識された。
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