研究課題/領域番号 |
10556043
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大和田 紘一 東京大学, 海洋研究所, 教授 (30013585)
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研究分担者 |
川上 高志 日油技研工業(株), 第4研究開発部, 課長(研究職)
和田 実 東京大学, 海洋研究所, 助手 (70292860)
西村 昌彦 東京大学, 海洋研究所, 助手 (10242174)
木暮 一啓 東京大学, 海洋研究所, 助教授 (10161895)
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キーワード | 海洋微生物 / 超音波制御 / 無菌採水器 / ロゼット型 / 各層採水器 |
研究概要 |
本年度に超音波制御機能付無菌各層採水器ORIO型を製作し、東京大学海洋研究所の研究船、淡青丸のKT-98-16航海(平成10年9月15日〜22日)の際に実際に海洋現場において各深度からの無菌採水を試みた。本採水器は海洋の各深度の微生物を外部からの汚染を受けることなく採取することを目的にしている。本体にはコンピュータ駆動のタイマーやバッテリーの電源部を備え、本体を海水中に沈めた後は各深度において、船上から超音波を用いて採水口の切断、採水ポンプの駆動、採水後は採水口を閉じる作業を行い、採水をしてくる全く新しいタイプの無菌採水器である。水深の異なる場所での作動状況を確かめるため、相模湾のst.4(水深1,520m)、南海トラフのst.11(水深4,023m)あよび清水港沖のSt.15(水深23m)の3点において試験を行った。本採水器は非常に順調に作動し、3観測点とも各深度から順調に採水することが出来た。各深度においてきもんと採水が出来ているかどうかを確かめるため、従来の無菌採水器であるニスキンバタフライ採水器および無菌ではないが広く使用されている採水器のニスキン採水器を用いて同じ深度の各層についても採水を行った。得られた全採水試料に関し、それぞれ全菌数、生菌数、塩分などを測定し比較したが、それぞれ同じ深度から得られた試料に関しては大きな隔たりはなく、新無菌採水器は充分機能していることが確かめられた。しかし、今年度は製作をすることに力を大きく注いだため、船上で伸しように関しまだまだ使い易いように改良する点が認められた。来年度にはこれらの点をさらに改良して、白鳳丸での航海にもルーチンに使用したいと考えている。
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