研究課題/領域番号 |
10556044
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
会田 勝美 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50012034)
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研究分担者 |
長澤 寛道 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60134508)
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キーワード | クルマエビ / 成熟 / 産卵 / 卵黄蛋白 / 卵黄形成抑制ホルモン / 脱皮抑制ホルモン / 遺伝子導入 / 眼柄除去 |
研究概要 |
1.生殖機構の解明 昨年度、クルマエビのビテロジェニンcDNAの全塩基配列を世界に先駆けて明らかにした。その結果ビテロジェニンは2587アミノ酸よりなる蛋白で卵濾胞細胞と肝膵臓で産生されることが判明した。本年度はまず卵瀘胞細胞と肝膵臓で作られているビテロジェニンが同じ構造をしていることを明らかとした。ビテロジェニンは合成された後、91kDaと186kDaに切断されたのち血リンパ中に分泌され卵内に取り込まれること、欄内では卵内ではさらに切断され蓄積されることも分かった。 また自然状態での成熟に伴うビテロジェニンmRNA量の変動をノザン解析により調べたところ、卵巣では前卵黄形成期ではビテロジェニンmRNAは全く発現していないが、内因性卵黄形成期では発現量が急増しピークとなった後、外因性卵黄形成期前期では減少を始めることが分かった。また肝膵臓では前卵黄形成期でも僅かに発現が見られ、その後内因性卵黄形成期に増加し、外因性卵黄形成期前期ピークに達し、その後減少することが明らかとなった。これらの結果から、両器官におけるビテロジェニン産生時機はややずれていることが示唆された。 2.成熟・産卵促進法の開発 眼柄切除により甲殻類の成熟が促進されることが知られているが、初回の卵質は良いものの、2回、3回目となると卵質が悪くなる。そこで眼柄切除に伴うビテロジェニンmRNA量の変動を卵巣と肝膵臓で比べたところ卵巣では切除後の時間の経過とともにmRNAは増加したが、肝膵臓では明、確な増加は認められなかった。この結果、眼柄切除は必ずしも自然の成熟とは同一でないことが示唆された。 また大腸菌および酵母を用いたリコンビナントCHH大量生産法を確立した。現在、生物活性および構造解析を進めている。
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