研究概要 |
免疫強化剤の作用機構を解明することは、新たな免疫強化剤の開発にも大きく貢献する。本研究では、免疫強化剤を投与されたコイの白血球で特異的に発現が上昇した遺伝子を同定することにより、生体防御能の上昇に深く関与する遺伝子を同定することを目的とした。昨年度の研究で確立されたSuppression Subtractive Hybridization法(SSH)を用い、アルギン酸ナトリウム、スクレログルカン、テレビン油などの腹腔内投与によって発現が上昇した遺伝子を探索した。今年度の研究で同定された遺伝子は下記の通りである。Cytokines pre-B cell enhancing factor,interleukin-1beta,leukocyte cell-derived chemotaxin 2,glia maturation factor beta(GMFbeta),CXCR4(SDF-1 receptor),serum amyloid A(SAA),pentraxin(CRP or serum amyloid P),high affinity IgE Fc receptor gamma subunit(FceRIg),MH gene class I,CD11b(integrin alphaM,C3b receptor alpha chain),CD18(integrin beta2,C3b receptor beta chain),CD45(leukocyte common antigen),Ctype lectin,lysozyme C.また、刺激の種類によって発現する遺伝子にも差が認められたので、上記遺伝子の詳細な発現解析によって免疫強化物質の様々な作用機構を解明できると考えられる。
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