研究課題/領域番号 |
10556054
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
石川 重雄 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (30147673)
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研究分担者 |
堀野 治彦 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (30212202)
河野 英一 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (20096811)
丸山 利輔 石川県立農業短期大学, 学長 (90026451)
長坂 貞郎 日本大学, 生物資源科学部, 助手 (70318385)
齋藤 公三 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (00130500)
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キーワード | ヒートアイランド / 都市化気候 / 農地の多面的利用 / クールアイランド / 農林地と都市との気温差 / 重回帰分析 / 土地利用 |
研究概要 |
(1)アメダス資料による数大都市とその周辺市町村の気温差の実態分析:我が国の代表的な都市である東京、内陸部の代表都市宇都宮、海岸部の代表都市広島を取上げ、周辺市町村との気温差に注目し、アメダスの気温資料を利用して、農林地の都市に対する気温環境の特徴を間接的に明らかにしようと試みた。その結果、これまでに必ずしも十分明らかにされていない、1日内の時間経過に伴う気温差の変動の特徴とその平均的な性格を明らかにした。すなわち、大きな気温差は昼間よりも夕方から翌朝にかけて発生する場合が多いこと、夏期よりも冬期に大きな気温差が生じること、大都市、東京の気温差は最も大きいが、内陸部の都市がこれに続き、海岸部の都市が最も小さいことが明らかになった。(2)アメダス資料による都市(県庁所在地)とその周辺市町村の気温差年平均の分析:(1)を受けて、全国の県庁所在地の都市を選び、その周辺の市町村との気温差を求め、この気温差の年平均を中心に、最高気温差、最低気温差の特徴をまとめた。その結果、各都市の気温差年平均は0-1.9℃間の値(全都市の平均は0.8℃)を示し、1都市を除いていずれも正の値であった。すなわち、この調査都市の年平均気温が周辺の市町村よりも高いことを明らかにした。(3)ヒートアイランド現象と土地利用との関係:複数の都市を含んだ広域の気温変化と土地利用との関係について検討した。方法は、非都市的な土地利用の面積が最も多い観測所を基準点とし、この基準点と他の観測所との気温差が最も大きくなる時間にヒートアイランド現象が発現していると仮定して、各観測所における気温差と各観測所を中心に半径1,2,3,4,5km毎の同心円内の、それぞれの土地利用の面積割合との関係を重回帰(気温差を目的変数、土地利用面積割合を説明変数)により要因分析を行った。その結果、気温差と観測所を中心とした半径4kmの円内の土地利用面積割合との相関が最も高く、この時の重回帰式の回帰係数は山林・荒地、農地、公園・緑地等は「負」で気温を下げる効果に、道路用地は「正」で気温を上げる効果に作用していることが示された。
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