研究分担者 |
堀野 治彦 大阪府立大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30212202)
河野 英一 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (20096811)
丸山 利輔 石川県立農業短期大学, 学長 (90026451)
長坂 貞郎 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (70318385)
齋藤 公三 日本大学, 生物資源科学部, 講師 (00130500)
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研究概要 |
研究成果を要約すると,以下のとおりである. (1)国内6地点の降雨量について,確率構造の検討を行った.これまで提案されている確率密度関数は予測の視点からは必ずしも最適ではないことがわかった.また,降雨データの基準化によって降雨集計時間や観測地点にかかわらず同一の回帰直線で表されることを示した. (2)都市と周辺市町村の気温差に注目して,農林地の都市に対する気温の特徴を明らかにすることを試みた.1日の時間経過に伴う気温差の変動の特徴とその平均的な性格を明らかにした.また,これまでのヒートアイランド(H.I.)現象の研究の位置付けや要因分析に有力な手ががりの得られる可能性を指摘した. (3)全国の県庁所在地の都市と周辺市町村の気温差を求め,その特徴を分析し,関係要因との関係を重回帰分析によって考察した.気温差の時間的・空間的な変化がわかり,これまでのH.I.に関する研究の位置付けをした. (4)土地利用の違いがH.I.現象に与える影響の程度を考察した.対象地点と基準地点の気温差と,対象地点を中心とした円内の土地利用面積割合との関係を重回帰分析を用いて検討したところ,半径4km円内の面積割合が気温差と最も相関がよかった.また,山林,農地,公園,緑地などが気温を下げる効果があり,道路用地が気温を上げる効果があると推測された. (5)降雨に含まれるイオン濃度を分析した結果,酸性雨に関連する項目の濃度は夏期に高濃度を示した.中和物質の濃度も同時期に高濃度を示した.また,最初の降雨1mmで各イオンとも高濃度が観測された.降雨間隔については,その長短に関わらず,イオン濃度に変化がみられなかった. (6)家畜糞尿を多量に施用している台地畑において,畑地からの窒素成分の流出特性を把握することを試みた.畑地からの流出水の硝酸態窒素濃度が10mg/Lを大きく上回ることが多く,周辺水域の水質悪化が懸念される状況にあることがわかった.
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