研究課題/領域番号 |
10556058
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高橋 芳幸 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (70167485)
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研究分担者 |
岸 昌生 雪印乳業株式会社, 受精卵移植研究所, 研究員
森安 悟 北海道立新得畜産試験場, 生物工学科, 研究員
片桐 成二 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (00292061)
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キーワード | 牛 / 核移植 / クローン |
研究概要 |
胚性細胞を用いた核移植に関する実験では、研究代表者らの北海道大学は体外受精由来桑実胚の割球を用いてレシピエント卵子の除核ならびに活性化に関する検討を行った。その結果、予め卵子の活性化を行い除核すると除核成功率が90%以上に高くなり、その卵子を用いて作成した核移植胚の約40%が胚盤胞へ発育し、核移植(クローン)胚の発生にも悪影響は見られないことが明らかになった。また、研究分担者(岸)らは、体内受精卵および体外受精卵の胚性細胞(割球あるいは内細胞塊細胞)を用いて核移植を行った結果、体内受精由来の桑実胚を用いた場合には約40%の核移植胚が胚盤胞へ発育し、体外受精由来桑実胚でも同等の発育成績が得られたが、体外受精白来胚盤胞のICMを用いて作成したクローン胚の胚盤胞への発育率は低い(約15%)ことが分かった.また、移植後の受胎率も体内受精卵由来のでは約40%であったが、体外受精卵由来では約10%と低率であった。 体細胞を用いた核移植に関する実験においては、研究代表者らの北海道大学では牛卵子の卵丘細胞を用いて実験を行った結果、融合率は約50%と低いが融合したクローン胚の胚盤胞への発育率は約50%と良好であり、得られたクローン胚盤胞の品質(細胞数)も通常の体外受精・体外培養に由来する胚盤胞と同等であることが確認された.また、研究分担者(森安および岸ら)は、線維芽細胞、乳腺上皮細胞および子宮上皮細胞を用いて体細胞由来クローン胚を作成しても胚盤胞の得られることを確認するととも、これらの体細胞由来クローン胚盤胞をレシピエント牛に移植して受胎例を得るだけでなく、線維芽細胞および子宮上皮細胞由来の体細胞クローン子牛も得ることにも成功した。
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