研究課題/領域番号 |
10556063
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
島田 清司 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (40065579)
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研究分担者 |
齋藤 昇 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 助教授 (40211924)
友金 弘 日本獣医畜産大学, 獣医畜産学部, 教授 (30023493)
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研究期間 (年度) |
1998 – 2000
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キーワード | マウス卵 / ニワトリ精子 / 顕微受精 / 性転換鶏 / 雌性前核 / 雄性前核 / W型性染色体 / 受精能 |
研究概要 |
鳥類ではZ性染色体を有する精子のみが生産され、雌のW性染色体を有する卵子と受精すると雌雛が生まれ、Z性染色体を有する卵子と受精した時には雄雛が生まれる。本研究ではニワトリ未分化胚にアロマターゼ阻害剤を投与し、雌型性染色体接合(ZW)を持ちながら精巣形成する性転換鶏を作出した。光学顕微鏡観察では性転換鶏の精巣は精細管腔が発達せず成熟した精子数も正常精巣に比べるときわめて低かった。W染色体特異的プローブを用いたFISH法により性転換鶏の精巣内に全精子の約半数のW性染色体を持つ精子(W精子)を確認した。卵細胞質内精子注入法(ICSI)を用いハムスター卵子に性転換鶏の精子を注入し、注入24時間後に受精卵の生存と前核形成を観察した。さらにICSIを用いたハムスターテストでは精子を注入した48個のハムスター卵子の内92%が生存し、68%が雌雄前核形成像を示した。さらにマウス卵を用いて同様なICSIを行ったところ正常な雄鶏精子を用いたICSIでは、46個中13個(30%)の卵で、性転換鶏精子を用いたICSIでは、42個中13個(31%)の卵でそれぞれ雌雄前核が確認できた。以上の結果から、性転換鶏の精子にも受精能があると考えられる。このことよりW精子が受精能を持つ可能性が示され、W精子を用いた雌鶏の作出の可能性が示唆された。
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