研究課題/領域番号 |
10556069
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
品川 森一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00001537)
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研究分担者 |
金子 健二 日本製薬, 東京研究所, 所長
古岡 秀文 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (60238665)
石黒 直隆 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (00109521)
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キーワード | プリオン / 不活化 / 医療機器 / 液化酸化エチレン / グリシドー |
研究概要 |
1.グリシドール(GLD)の作用機構 液化エチレンオキサイドは蛋白分子と結合して分子量を増し、切断部位に幾らかの特異性が見られたが、GDLでは、検出できなかった。そこで、組換えプリオン量を増して、短時間処理した試料を12%及び20%ゲルで解析した結果、やはり分子量の増加と、低分子化した断片を確認できた。さらに、5%GLD処理試料から3塩化酢酸沈殿により沈殿する蛋白量を経時的に調べたところ、2、6,24時間後でそれぞれ24%、48%、56%沈殿量が減少していた。この結果、GLDは比較的短時間にプリオン蛋白に作用し、低分子化することがわかり、蛋白の分解により不活化がおきることが明らかとなった. 2.GLDの反応の特異性 GLDの反応の特異性を調べるため、ヒト血清アルブミンを処理し、解析した。プリオン蛋白と同様に、分子量の増加と同時に蛋白分子自身の減少が見られた。即ち、GLDは非特異的に蛋白に作用することがわかった。 3.LDの作用に影響する因子 通常プリオン試料の希釈にはPBSを使用するが、蒸留水で希釈を行ったところ、効果が認められなかった。このため、塩濃度及びpHの影響を調べた。蒸留水希釈試料に食塩を0.15Mに添加すると効果の回復が見られ、また、高濃度の5.4-8.0の各種pHの燐酸緩衝液を加えてpHを調整すると、調べた範囲では高いpHの方が有効であった。 GLD処理は、pH8程度で、塩濃度が0.15M程度の条件で50度までの高温で処理すると有効なことがわかったが、バイオアッセイの成績を得るまでにいたらなかった。
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