本研究は、新しい生理機能画像の先駆けとして、ニ量子フィルターNMR法とスペクトロスコピック画像法とを組み合わせることにより、生体内の「構造化」された水分子を選択的に画像化することを目的とした。 1、二量子磁気共鳴画像法の開発 二量子フィルターNMR法とスペクトロスコック画像法とを組み合わせることにより、生体内の「構造化」された水分子を選択的に画像化できる二量子磁気共鳴画像法を開発した。これは全く新しい測定方法であり、特に、スライス選択パルスの導入、化学シフト画像について、学会誌に報告を行った。 2、組織の変性・修復過程による分子環境変化の画像化 家兎アキレス腱断裂修復モデルを作成した。摘出下腿全体を測定できる25mm径H-1プローブと、スライス選択二量子磁気共鳴画像法を用い、断裂部の修復過程を磁場反転画像法を対照として、6ヶ月間経時的に測定を行った。一般臨床で用いられている磁場反転画像法に対応した二量子磁気共鳴画像データを採り、その対応関係を明らかにし、学会誌に報告した。 3、変性・修復過程の結合水画像のin vivo測定 家兎の筋腱移行部や関節軟骨のin vivo測定を行うために、30mm径H-1プローブを制作し調製を行った。摘出臓器測定に用いた25mm径プローブと比較しつつ、測定条件・測定精度・感度を評価した。人体への適用を前提とした基礎データを得ることができた。
|