研究課題
基盤研究(B)
1. 基質選択性酵素センサの開発とグルコースの高感度測定(1)グルコースセンサ高度化への基礎条件を検討するため、(a)グルコースセンサの基質選択性、(b)応答の濃度依存性、(c)溶存酸依存性、(d)メディエータの導入等について検討した。その結果、(i)白金電極表面上にチラミンを電解重合後、グルタルアルデヒドを用いてグルコースオキシダーゼを固定化する方法は、センサの基質選択性、濃度依存性応答に関して有効であり、十分実用化できる。(ii)酵素反応に必要な溶存酸素が不足している場合、グルコースセンサの感度が低下する。しかし、フェロセンを電子メディエータとして白金電極とグルコースオキシダーゼとの間に介在させることで、グルコース濃度の高い(溶存酸素の影響を受ける)領域でもセンサの感度を維持できることが確認できた。2. 水晶振動子マイクロバランス免疫センサ抗体の固定化:共有結合法による固定化を検討した。これは抗体が持つアミノ基やカルボキシル基などのアミノ酸残基と担体の持つ官能基とを共有結合し、固定化する方法である。これには二官能性試薬グルタルアルデヒドを抗体と反応させシッフ塩基を形成させた。すなわち、水晶振動子の金電極表面にチラミンの電解重合によりアミノ基を導入する。このアミノ基にグルタルアルデヒドを反応させ、アミノ基とアルデヒド基との間にシッフ塩基を形成させる。このチラミン・グルタルアルデヒド複合体に抗体(酵素)を反応させると未反応のアルデヒド基とアミノ基にもシッフ塩基が形成させるので抗体は効果的かつ安定に電極上に固定化できた。ヤギ抗ヒトIgGを固定化し、水晶振動子の基本振動数がヒトIgG濃度に依存して特異的に変化することが確認できた。
すべて その他
すべて 文献書誌 (3件)