研究課題/領域番号 |
10557009
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研究機関 | 宮崎医科大学 |
研究代表者 |
河南 洋 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (00049058)
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研究分担者 |
桑木 共之 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80205260)
國武 孝人 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20234461)
花森 隆充 宮崎医科大学, 医学部, 助教授 (20041858)
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キーワード | 遺伝性多飲マウス / アンジオテンシンII / 循環系応答 / 飲水行動 / 腎排泄機能 / 動脈圧受容器反射 |
研究概要 |
遺伝性多飲(STR/N)マウスでの検討: 1 代謝ケージを用いた水分代謝の評価:体重、一日あたりの摂食量、飲水量、尿量、尿中NaとK排泄量を計測し、コントロールとしてのICRマウスと比較した。STR/Nの体重は少ないが、100g体重あたりで比較すると摂食量、飲水量、尿量、NaとK排泄量共に多かった。このことはSTR/Nマウスでは水分・電解質代謝が亢進している事を示唆する。 2 安静時の心血管系レベル:慢性的に動・静脈カテーテルを留置して、自由行動・意識下(自家製コンピューター制御代謝ケージ内)で血圧と心拍数を連続記録した。データ解析は独自に開発したプログラムに基づき一日平均を算出した。STR/Nマウスの一日平均血圧は有意に低いが、心拍数には差が認められなかった。また日内変動についても両群間で差は認められなかった。 3 アンジオテンシンII(AII)脳室内投与の効果:慢性的に留置した側脳室ガイドカニューレ介してAIIを投与し、血圧、心拍数と飲水量を比較した。STR/NマウスではAIIによる昇圧反応と飲水量は有意に大きかった。一方心拍数は変化がなかった。これらの結果より、STR/Nマウスでは水分・Na代謝亢進により循環血液量が減少し、このことが内因性AII系を活性し、飲水行動亢進の少なくとも一因になっている事が示唆された。 4 病態マウスの動脈圧受容器反射特性の評価システム:慢性的に留置した動・静脈カテーテルを介して、自由行動・意識下状態のマウスの血圧を血管作動物質投与により上・下させ、その時現れる反射性心拍変化を調べた。これらのデータを基に血圧一心拍数の回帰曲線を求め,その傾きから動脈圧受容器反射利得(ゲイン)の推定を試みた。STR/NマウスではICRマウスより動脈圧受容器反射が亢進している事が示唆された。
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