研究課題/領域番号 |
10557011
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
月田 承一郎 京都大学, 医学研究科, 教授 (50155347)
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研究分担者 |
伊藤 雅彦 京都大学, 医学研究科, 助手 (70270486)
古瀬 幹夫 京都大学, 医学研究科, 助手 (90281089)
月田 早智子 京都大学, 医療技術短期大学部, 教授 (00188517)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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キーワード | オクルディン / ノックアウトマウス / ドラッグデリバリー / タイトジャンクション / 上皮細胞 / 骨 / 脳 / 胃 |
研究概要 |
オクルディンのノックアウトマウスを作成することに成功し、そのフェノタイプを詳細に解析した。オクルディンノックアウトマウスは一見正常に生まれた。しかし、その後の成長が野生型に較べ、有意に遅く、最終的に雌雄とも子供を作ることが出来なかった。その原因は明らかではないが、種々の解析の結果、性行動の異常があるのではないかと推測された。このマウスは、生まれた時には、組織学的には何の異常も見られないが、成長するにしたがって多くの異常が見られるようになった。もっとも顕著なのが、胃粘膜の変化である。生後数週の時期から、炎症性細胞の浸潤が見られるようになり、慢性炎症の像を呈するようになり、最終的には極度の上皮過形成が見られるようになる。また、骨にも異常が見られる。骨の発達が悪く、最終的には典型的な骨そしょう状態になった。さらに、脳実質の中に、燐酸カルシウムを含む沈殿物が多数見られるようになり、最終的にきわめて多数の沈殿物が散在するようになる。 このような異常を、タイトジャンクションの機能異常と結びつけることは、現在のところ難しいが、何らかの未だ知られていないタイトジャンクションの機能をオクルディンが担っていることを意味しているのかもしれない。また、このようなマウスを用いて、種々の薬剤の動態を固体レベルで調べることにより、オクルディンをドラッグデリバリーにおいていかに利用するかという本研究の当初の目的が達成されると思われる。
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