研究課題/領域番号 |
10557012
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
仲野 徹 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00172370)
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研究分担者 |
柴山 史朗 小野薬品, 水無瀬総合研究所, 研究員
福島 大吉 小野薬品, 水無瀬総合研究所, 主任研
高橋 知巳 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (70283801)
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キーワード | 造血幹細胞 / 発生 / 細胞分化 / 分泌タンパク / シグナル伝達 |
研究概要 |
シグナルシークエンストラップ法(SST法)により分泌タンパクのアミノ末端をコードする遺伝子としてクローニングされた遺伝子の断片をプローブに、全長のcDNAかクローニングされた遺伝子をCos細胞において発現させ、その細胞培養上清および細胞膜分画の造血システムにおける機能解析を行った。機能解析には、in vitroにおける胚性幹細胞から造血システムへの分化誘導法(OP9法)を用いた。 ES細胞をストロマ細胞株OP9上で共生培養し、分化誘導3日目から細胞培養上清あるいは細胞膜分画を可溶化したサンプルを最終濃度が1-0%となるように添加した。分化誘導5日目ならびに10日目にはトリプシン処理を行い、さらに新鮮なOP9細胞上での培養を行った。それぞれのサンプルの機能を、分化誘導8日目の造血細胞コロニーの数により造血細胞の発生におよぼす影響を、また、分化誘導14日目の血液細胞により造血前駆細胞から血液細胞への分化における役割を検討したが、どのサンプルにおいても、有意な細胞数の増加あるいは減少は認められなかった。 アポトーシスを抑制するBCL2遺伝子ファミリーの一員であるBCLX遺伝子のダブルノックアウトES細胞をOP9法により分化誘導をおこなった。その結果、BCLXは未成熟でエリスロポエチン依存性の赤血球前駆細胞ではなく、赤血球の成熟過程の最終段階において重要な役割を有していること、すなわち、赤血球の細胞死を抑制する重要な機能を有することを明らかにした。また、Spal遺伝子のタブルノックアウトES細胞の分化誘導により、Spal遺伝子か血液細胞産生に必須であることも明らかにした。
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